
出産を終えてしばらくたったころ、ふとデリケートゾーンの黒ずみに気づいた。
「前からこんな色だったかな」「自分だけなのかな」と、気になり始めると頭から離れないものですよね。
場所が場所だけに、家族や友人にも聞きにくい悩みです。
人に聞きにくいことだからこそ、ひとりで抱えこまなくて大丈夫です。
この記事では、産後の黒ずみに関係することがある体のしくみ、今日からできるケアの手順、セルフケアでは変えられないこと、受診の目安までを、公的機関や学会の情報をもとに整理しました。
気になるところから、ゆっくり読んでみてくださいね。
産後に気づくデリケートゾーンの黒ずみには、妊娠中の女性ホルモンによる色の変化が関係していることがあります。
厚生労働省の研究班が作成した情報サイト「ヘルスケアラボ」では、妊娠中はシミやそばかすが増えたり、わきの下、乳首、外陰部(デリケートゾーンにあたる部分)などが黒ずんでくると説明されています。
妊娠をきっかけに外陰部の色が変わることは、公的な情報サイトにも書かれている体の変化なんですよね。
ただし、色の変化の原因はひとつではありません。
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aは、皮膚に気になる部分が出てきたときは、安易に自己判断せずに皮膚科専門医へ相談するようすすめています。
色や形が気になるとき、かゆみ・赤み・おりものの変化・出血・痛みがあるときは、セルフケアより先に受診を考えてください。
くわしい目安は、後半の「受診の目安」でお伝えします。
黒ずみの原因を、ひとつに決めつけることはできません。
ここでは、公的機関や学会の情報で確認できることを、4つに分けて見ていきます。
メラニン色素は、皮膚の色に関わる色素で、メラノサイト(=メラニン色素をつくる色素細胞のこと)がつくっています。
ヘルスケアラボによると、メラノサイトは女性ホルモンに刺激されて、メラニン色素を分泌します。
妊娠中は女性ホルモンが増えるため、わきの下、乳首、外陰部などが黒ずんでくる、という説明です。
おなかの真ん中の線(正中線)が濃くなる人もいるそうです。
ヘルスケアラボでは、妊娠中の肌は、皮脂の分泌がさかんなのに乾燥しやすく、敏感だとされています。
そのうえで、体をタオルでゴシゴシこすらず、やさしくぬるま湯で洗い流し、刺激の少ないもので保湿・保護する、シンプルなケアがすすめられています。
肌に触れるものが合っていない、というケースも考えておきたいところです。
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aによると、かぶれ(=接触皮膚炎。
外からの刺激物質などが皮膚に触れて起こる、湿疹性の炎症反応のこと)は、かゆみやヒリヒリ感を伴い、赤い斑点、ぶつぶつ、水ぶくれなどがあらわれます。
慢性化すると、ごわごわした皮膚になるとのこと。
石けんなどの刺激によるかぶれは、アレルギー体質でない人にも起こります。
日用品によるかぶれでは、原因の製品だと気づかずに使い続けて、湿疹が慢性化していることも少なくないそうです。
また、厚生労働省の通知では、皮膚に使う化粧品について、使用を中止すべき症状として、赤み、はれ、かゆみ、刺激に加えて「色抜けや黒ずみ」が挙げられています。
ケア用品を使い始めてから色が気になってきたときは、使用を中止して、皮膚科に相談してください。
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aによると、ほくろやしみのように見える部分が、実際には皮膚がんの一種(メラノーマ)である可能性もあります。
見た目だけで自己判断しないことが大切です。
気になる色や形の変化があるときの目安は、「受診の目安」の章にまとめました。
セルフケアの目的は、色を変えることではありません。
肌への刺激を減らして、うるおいを保つことです。
産後まもない方、会陰切開(=お産のときに、腟と肛門の間の皮膚を切る処置のこと)や裂傷の傷の痛みが残っている方、持病がある方、治療中の方は、ケアを始める前に主治医に相談してください。
ヘルスケアラボでも、産後は会陰切開や裂傷の傷が痛むことがあると説明されています。
外側の皮膚(外陰部)を洗うときの、手順の一例です。
① ぬるま湯で、外側をやさしく流す
② 洗浄料を手のひらでよく泡立てる
③ タオルやスポンジは使わず、泡をのせて手でそっと洗う
④ 洗浄料が残らないように、ぬるま湯で流す
⑤ 清潔なタオルでそっと押さえて水気をとり、乾燥が気になるときは、お風呂上がりにうるおいを与える
ポイントは、泡と手でそっと洗うこと。
ヘルスケアラボの「全身のかゆみ」の解説では、かゆみが強い場合の入浴について、石けんでゴシゴシ洗いすぎないことが非常に大切で、ナイロンタオルやスポンジは控え、刺激の少ない石けんを泡立てて手でそっと洗うとされています。
乾燥が原因のかゆみには保湿が重要で、タイミングはお風呂上がりが最適、とも書かれています。
洗い方やうるおいケアの基本は、フェムケアの正しいやり方と注意点をまとめた記事もあわせて読んでみてくださいね。
日中の過ごし方では、次のような方法があります。
・締めつけの少ない下着やボトムスを選ぶ
・汗をかいたら、早めに着替える
・ナプキンやおりものシートは、長時間つけたままにせず、こまめに取り替える
・トイレットペーパーは、こすらずに押さえるように使う
ヘルスケアラボでは、ナプキンを長時間使用していることで、腟の炎症(腟炎)を起こすこともあると説明されています。
意外と見落としがちなのが、トイレのたびの「拭き方」。
毎日のことなので、無理のない範囲で見直してみてください。
・ナイロンタオルやスポンジでゴシゴシこする
・気になるからと、念入りに洗いすぎる
・肌に合わないと感じたケア用品を、そのまま使い続ける
・表示された使い方や使用部位を確かめずに、ケア用品を使う
・かゆみやおりものの変化があるのに、セルフケアだけで済ませる
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aによると、皮膚の角層はバリアの役割を果たしていて、角層が傷んだところから石けんなどの刺激物質が入りこむと、炎症が起こると考えられています。
かぶれへの対応でいちばん大切なのは、原因になっているものを見つけ出して取り除くことだと、同じ皮膚科Q&Aは説明しています。
原因を見きわめるには医師による詳しい問診が必要とされているので、赤みやかゆみが続くときは皮膚科に相談してください。
ここからは、FemLifeで取り扱っているアイテムを紹介します。
いずれも毎日のお手入れに使うもので、症状を治したり、体の状態を変えたりするものではありません。
デリケートゾーンをやさしく洗いたい方に向けた、無香料タイプのフェムゾーン用ソープです。
デリケートゾーンをやさしい使い心地で洗いたい方に向けた、炭酸泡タイプのウォッシュです。
デリケートゾーンの乾燥が気になり、毎日のケアを気軽に取り入れたい方に向けたフェムケアアイテムです。
デリケートゾーンの乾燥や摩擦が気になり、毎日のうるおいケアを取り入れたい方に向けたフェムケアオイルです。
このほかのアイテムは、ソープ・ウォッシュの一覧にまとめています。
肌に合わないと感じたときは使用をやめ、気になる症状が続く場合は医療機関に相談してください。
ここは、正直にお伝えしておきたい部分です。
黒ずみの色そのものを変えることは、セルフケアの範囲ではありません。
妊娠中の黒ずみは、女性ホルモンに刺激されたメラノサイトがメラニン色素を分泌することによる、と説明されています。
肌の表面を洗ったり、こすったりして落とすものではないんですよね。
ケアを続けても、見た目が変わらないことはあります。
それは、あなたのケアが足りないからではありません。
・色や形の変化が、皮膚の病気によるものかどうかの判断
・かぶれの原因を見つけること
・かゆみ、おりものの変化、出血などの検査
どれも、医療機関でなければ分からないことです。
色が気になってつらい、という気持ちについても、医療機関で相談できる選択肢があります。
ひとりで決めつけずに、まずは話してみてくださいね。
次のような場合は、セルフケアを続けるよりも先に、医療機関に相談してください。
・ほくろやしみのように見える部分が、形が左右対称でない、境界がギザギザしている、色に濃淡が混じっている、直径が6mm以上ある、の4点のうち2つ以上に当てはまる(日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aが挙げる目安)
・いつもと違うものが出てきた、色が黒い・赤い、触ると硬い、痛いといった変化に気づいた。
または、長引いて繰り返す傷がある
・おりものの色が茶・黄・緑でにおいがある、デリケートゾーンのかゆみがひどい
・不正な性器出血を繰り返している
ここに当てはまらなくても、気になる症状や不安があれば、遠慮なく相談してください。
ほくろやしみの4点について、日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aは、2つ以上当てはまる場合に近くの皮膚科専門医を受診するようすすめています。
長引いて繰り返す傷については、早めに皮膚科専門医へ相談を、という呼びかけです。
おりものの変化やひどいかゆみについて、ヘルスケアラボは、腟の炎症を起こしている可能性があり、早期の治療がカギだと説明しています。
皮膚の色や見た目の変化は皮膚科、出血は産婦人科が相談先です。
おりものやかゆみの症状は、産婦人科・婦人科で相談してください。
妊娠中の方、産後まもない方に症状がある場合は、次の健診を待たずに、かかりつけの医療機関へ連絡してください。
「こんなことで受診していいのかな」と迷う方もいるかもしれません。
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aにも、外陰部のように人に見せにくい場所はためらってしまうだろうけれど、皮膚科専門医に相談することをおすすめする、という趣旨の一文があります。
デリケートゾーンのことは、相談していいことです。
厚生労働省の研究班が作成した情報サイト「ヘルスケアラボ」では、メラノサイトという色素細胞が女性ホルモンに刺激されてメラニン色素を分泌するため、妊娠中はわきの下、乳首、外陰部などが黒ずんでくると説明されています。
色の変化の出方には個人差があり、原因がひとつとは限りません。
気になる変化があるときは、皮膚科に相談してください。
妊娠中の黒ずみは、メラニン色素の増加によるものと説明されています。
洗って落とすものではないので、強くこする必要はありません。
ヘルスケアラボでは、妊娠中の肌について、タオルでゴシゴシこすらず、やさしくぬるま湯で洗い流すケアがすすめられています。
セルフケアだけで済ませず、受診してください。
ヘルスケアラボによると、腟の中は酸性に保たれて、外からの菌の侵入や繁殖を防いでいて(=腟の自浄作用)、体調が悪いときや女性ホルモンのバランスが崩れたときにこの作用が低下すると、腟の炎症を起こすことがあります。
早期の治療であれば、治療期間も短くすむとされています。
皮膚の色や形の変化、赤みやかゆみなどの皮膚の症状は皮膚科、出血は産婦人科が相談先です。
おりものの変化を伴う場合は、産婦人科・婦人科で相談してください。
妊娠中の方、産後まもない方は、次の健診を待たずに、かかりつけの医療機関へ連絡を。
迷ったときは、出産した施設に聞いてみるのもひとつの方法です。
・産後のデリケートゾーンの黒ずみには、妊娠中の女性ホルモンによる色の変化が関係していることがあります。
ただし、原因はひとつではありません
・セルフケアでできるのは、こすらない、洗いすぎない、うるおいを保つこと。
色そのものを変えることは、セルフケアの範囲ではありません
・色や形の変化、かゆみ、おりものの変化、出血などがあるときは、自己判断せずに皮膚科や産婦人科へ相談してください
誰にも聞けなかった悩みが、少しでも軽くなりますように。
毎日のケアの情報は、FemLife(フェムライフ)のトップページからもご覧いただけます。
※この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。
気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。
参考
・日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「メラノーマ(ほくろのがん)」
・日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「メラノーマ(ほくろのがん) Q3」
・日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「メラノーマ以外の皮膚悪性腫瘍 Q8」