生理中ににおいが気になるのは、多くの人に起こる自然なことです

先にお伝えしたいのは、生理中ににおいが気になるのは、体の異常ではなく、多くの人に起こる自然なことだということ。

生理中のにおいは、経血が空気(酸素)や皮膚の常在菌(=ふだんから皮膚にいる菌のこと)にふれることや、ナプキンの中に熱や湿気がこもるムレが重なって、気になりやすくなるといわれています。

出たばかりの経血そのものは、においがそれほど強くありません。
時間がたつほど、そして通気が悪いほど、においを感じやすくなる、という流れなんですね。

だからこそ、対策の基本はとてもシンプルです。
「経血がとどまる時間を短くする」「ムレをやわらげる」。
この2つを意識するだけで、感じ方はずいぶん変わります。

毎日のケアには、生理中のムレに配慮した生理ケア用品 のように、この時期に使いやすいアイテムを取り入れる方法もあります。

具体的な原因と対策は、このあと順番に見ていきますね。

生理中ににおいが気になりやすくなる4つの原因

原因はひとつではなく、いくつかが重なっていることがほとんどです。
自分に当てはまるものがあるか、確かめながら読んでみてくださいね。

原因1:経血が時間とともに変化すること

いちばんの土台になるのが、これです。

経血は出た直後はにおいが強くありませんが、空気や皮膚の常在菌にふれ、時間がたつにつれて変化し、においを感じやすくなっていきます。

つまり、経血が長くとどまるほど、においは気になりやすくなる、ということ。
替えるタイミングそのものが、いちばん効く対策になるわけです。

原因2:ナプキンの中のムレ(湿気と熱)

ナプキンや吸水ケア用品を長時間つけていると、通気が悪くなり、熱と湿気がこもります。

高温多湿は、においを感じやすくする条件がそろった状態。
夏場や、長時間座りっぱなしの日に気になりやすいのは、このムレが関わっています。

肌がふやけて刺激に弱くなり、かぶれにつながることもあるので、通気は「におい」と「肌」の両方にとって大事なポイントなんですよね。

原因3:汗との混ざり合い

デリケートゾーンには、アポクリン腺(=においのもとになりやすい汗を出す汗腺のこと)が集まっています。

その汗のにおいと経血のにおいが混ざり合うことで、いつもと違うにおいに感じられることがあります。

生理中はただでさえ気になりやすい時期。
汗ばむ季節や運動のあとは、なおさら感じやすくなります。

女性の体と月経のしくみについては、女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班)に、一般向けの解説がまとめられています。

原因4:洗いすぎ・こすりすぎによる肌の乱れ

意外と見落とされがちなのが、これ。

においが気になるあまり何度も洗うと、必要なうるおいや常在菌のバランスが乱れ、かえって肌トラブルにつながりやすくなります。

デリケートゾーンには、もともと自浄作用(=体が自分で清潔な状態を保つはたらきのこと)がそなわっています。
ゴシゴシ洗いや洗いすぎは、そのはたらきを妨げてしまうことがあるんです。

「気になるから洗う」が、実は逆効果になっている。
そんなケースも少なくありません。

生理中のにおいに、今日からできる対策

ここからが本題です。
やることは多くありません。
「とどまる時間を減らす」「ムレをやわらげる」「洗いすぎない」の3つに集約されます。

対策1:生理用品をこまめに替える

いちばん効くのが、これ。
経血がとどまる時間を短くするだけで、においの気になりやすさはかなり変わります。

  • トイレに行くたびを目安に、こまめに替える
  • 量が多い日は、とくに短い間隔で
  • 就寝前・起床後は、必ず新しいものに
  • 量や体質に合わせて、ナプキン・タンポン・月経カップ・吸水ショーツを使い分ける

量に合ったものを選ぶと、モレの不安もムレも減らしやすくなります。

対策2:やさしい洗い方で清潔を保つ(1日1回)

洗い方の基本は、"やさしく・洗いすぎない"。
順番はこうです。

  1. 38〜40度くらいのぬるま湯で、全体を流す
  2. 専用のソープを手のひらでよく泡立てる
  3. 泡を乗せて、指の腹でなでるように洗う(ゴシゴシしない)
  4. ヒダの間は、泡をすべらせる程度にとどめる
  5. すすぎ残しがないよう、ぬるま湯でていねいに流す
  6. タオルは押し当てて水分を取る(こすらない)

回数は1日1回で十分です。
においが気になる日ほど何度も洗いたくなりますが、洗う回数が増えるほど、うるおいと常在菌のバランスは乱れやすくなります。

洗うのは外側の皮膚まで。
内側には自浄作用があるので、石けんで洗う必要はありません。

身体用のボディソープは洗浄力が強いものも多いため、デリケートゾーン専用のソープ・ウォッシュ のように、この部分に合わせて設計されたアイテムを使うと、皮膚を清潔に保ちながら刺激を抑えやすくなります。

対策3:外出先は「通気」と「ふき取り」で乗り切る

外にいる時間は、どうしてもムレやすくなります。
工夫できるのは、次のあたり。

  • トイレのたびに生理用品を替える
  • 長時間座る日は、途中で立って空気を通す
  • 汗ばんだら、デリケートゾーン用のふき取りシートやミストでさっと清潔にする
  • 通気性の悪い服・下着が続く日は、休憩時間にリセットする

ふき取りシートやミストは、あくまで清潔を保つための一時的なケア。
洗う代わりではなく、外出先での「つなぎ」として使うと便利です。

対策4:通気性のよい下着・服を選ぶ

ムレをやわらげるには、身につけるものの見直しも効いてきます。

  • 肌に当たる面が綿など、通気性のよい素材のものを選ぶ
  • 締めつけの強いガードルやスキニーを、生理中は毎日続けない
  • 家にいる時間は、ゆるめの部屋着で過ごす
  • 汗をかいたら、こまめに着替える

締めつけをゆるめるだけでも、熱と湿気のこもり方は変わります。

やってはいけないNGケア

逆に、においが気になるあまりやってしまいがちなことも挙げておきます。

  • 1日に何度も洗う/洗浄力の強いソープでゴシゴシ洗う(うるおいと常在菌のバランスが乱れます)
  • 内側まで石けんで洗う
  • 「におい対策」とうたう出所の分からないものを、粘膜の近くに自己判断で使い続ける
  • かゆみや赤みが出ているのに、ケアを続けてしまう
  • 香りの強いもので、においを"上書き"しようとする

赤みやかゆみが出ているときは、いったんケアの手を止める。
これがいちばん大切です。

デリケートゾーンのにおい全般のケアについては、デリケートゾーンのにおいとやさしい清潔ケアについての記事 もあわせて読んでみてくださいね。

セルフケアで変えられないこと

ここは正直にお伝えします。

セルフケアで減らせるのは、ムレ・経血がとどまる時間・洗いすぎによる肌の乱れです。
ここを整えることで、日々のにおいの気になりやすさをやわらげていけます。

一方で、次のことはセルフケアの範囲ではありません。

  • 生理そのものにともなうにおいを、完全にゼロにすること(生理は自然な体のはたらきです)
  • いつもと明らかに違うにおいの原因そのもの
  • おりものの色や量の変化をともなう不調

化粧品や雑貨は、皮膚を清潔にしたり、うるおいを与えて健やかに保つためのもの。
においを消したり、菌をどうこうすることを目的としたものではありません。
「これを使えばにおいがなくなる」といった説明を見かけたら、その情報自体を一度疑ってみてください。

とくに、魚のような生臭いにおいが続く、かゆみやおりものの変化をともなう、といった場合は、ケアで様子を見るよりも、みてもらったほうが安心です。
次の章で、その目安を整理します。

こんなときは医療機関へ(受診の目安)

生理中のにおいの多くは、これまで見てきたセルフケアで気になりにくくしていけます。
ただし、次のような様子があるときは、一度みてもらってください。

  • においが急に強くなった、魚のような・生臭いにおいが続いている
  • おりものの色・量・状態が、いつもと明らかに違う
  • かゆみ・痛み・ヒリヒリ・赤みをともなっている
  • 発熱や下腹部の痛みがある
  • 市販のアイテムを使うたびに、赤みやかゆみが出る

行き先の目安は、婦人科です。
においやおりものの変化は、婦人科でよく相談される内容のひとつ。

婦人科でどんなことを相談できるのかは、公益社団法人 日本産科婦人科学会 の一般の方向けの情報や、一般社団法人 日本女性医学学会 の情報も参考になります。

「こんなことで行っていいのかな」と迷う方が本当に多いのですが、そうした相談を受けているのが婦人科です。
「心配ないですよ」と言ってもらえるだけでも、気持ちはずいぶん軽くなります。

生理中のにおいについてよくある質問

生理中のにおいは、洗えば洗うほど減りますか?

いいえ、むしろ逆になりやすいです。
何度も洗ったり強くこすったりすると、必要なうるおいや常在菌のバランスが乱れ、肌トラブルにつながることがあります。
基本は1日1回、ぬるま湯と手のひらでやさしく洗うこと。
においが気になる日ほど、洗う回数を増やさないのがコツです。

タンポンや月経カップは、においが気になりにくいですか?

経血が空気にふれにくいぶん、ムレやにおいが気になりにくいと感じる方もいます。
ただし、交換のタイミングを守ることが前提です。
合う・合わないは体質や慣れによって違うので、自分が使いやすいものを選んでくださいね。

外出先で使えるデリケートゾーン用のアイテムはありますか?

ふき取りシートやミストのように、外出先で清潔を保ちやすいアイテムがあります。
これらは洗う代わりではなく、あくまで一時的なケア。
トイレでの交換とあわせて、ムレをリセットする「つなぎ」として使うと便利です。

おりもののにおいが、いつもと違う気がします。
受診したほうがいいですか?

いつもと明らかに違うにおいが続く、色や量が変化している、かゆみをともなう、といった場合は、婦人科で相談するのがおすすめです。
生理中のにおいと、体からのサインとしてのにおいは別のもの。
自己判断で様子を見すぎず、気になるなら相談して大丈夫です。

まわりに、においで気づかれていないか心配です。

自分が思っているほど、まわりに強く伝わっていないことも多いものです。
それでも気になるときは、こまめな交換・通気・やさしい洗浄という基本のケアを続けることが、いちばんの安心につながります。

まとめ

最後に要点を整理します。

  • 生理中のにおいは、経血の時間による変化・ムレ・汗・洗いすぎが重なって起こるもので、多くの人に見られる自然なことです
  • 今日からできるのは「生理用品をこまめに替える」「1日1回やさしく洗う」「通気をよくする」の3つ
  • セルフケアで気になりにくくはできますが、いつもと明らかに違うにおいや、かゆみ・おりものの変化があるときは婦人科へ

誰にも聞けないまま抱えていた悩みでも、しくみが分かれば、やることはずいぶんシンプルになります。
まずは次の生理から、ひとつだけ変えてみてくださいね。
フェムケアのアイテムをそろえたいときは、フェムケアアイテムを扱うFemLife ものぞいてみてください。

※この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。
気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

参考