
下着の中がなんだかつっぱる感じがする。
ムズムズしたり、ヒリヒリしたりして、一日中どこか落ち着かない。
でも、どこがどうとは言いにくくて、家族にも友人にも相談できないまま、夜ひとりでスマホを開いている方も多いのではないでしょうか。
同じ悩みを抱えている方は、実はとてもたくさんいます。
あなただけではありません。
この記事では、デリケートゾーンが乾燥するしくみと、今日から見直せる保湿ケアの手順、そしてセルフケアでできること・できないことの線引き、受診の目安までを整理しました。
まずは「なぜ乾くのか」を知るところから、一緒に見ていきましょう。
最初にお伝えしたいのは、デリケートゾーンが乾いてつっぱる感じは、多くの人の身体に起きるごく自然な変化だということ。
顔や手の乾燥と同じように、この部分もうるおいが不足すると、つっぱり・ムズムズ・ヒリヒリした感じが出やすくなります。
大きく関わっているのは、女性ホルモンの変化と、毎日の洗い方や下着の刺激です。
年齢を重ねた方はもちろん、産後や授乳中の方にも起きやすい変化なんですよね。
つまり、乾燥そのものは「身体が壊れたサイン」ではありません。
ただ、原因が分かれば、うるおいを保ちやすい状態に近づけるための工夫はできます。
まずは、乾く原因を分けて見ていきますね。
原因はひとつではなく、いくつかが重なっていることがほとんど。
自分に当てはまるものがあるか、確かめながら読んでみてくださいね。
いちばん大きく関わるのが、女性ホルモンの変化です。
エストロゲン(=女性ホルモンのひとつで、皮膚や粘膜のうるおいを保つ働きに関わるもの)は、年齢やライフステージによって分泌量が変わります。
特に、閉経が近づく40代以降はエストロゲンの分泌がゆるやかに減っていき、それにともなってデリケートゾーンの皮膚や粘膜が薄く、乾きやすい状態に傾いていきます。
こうした閉経前後の変化は、GSM(=閉経関連泌尿生殖器症候群。
エストロゲンの減少にともなって、デリケートゾーンや尿まわりに乾燥・かゆみなどが起こること)としても知られています。
女性ホルモンとライフステージごとの身体の変化については、女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班)に、一般向けの解説がまとめられています。
産後や授乳中に乾燥を感じる方も少なくありません。
この時期も一時的にエストロゲンが低い状態が続くため、うるおいが不足しやすくなります。
意外と見落とされがちなのが、洗いすぎです。
デリケートゾーンには、うるおいと常在菌(=皮膚や粘膜にもともとすんでいて、健やかな状態を保つのを助けている菌のこと)のバランスを保つ力がそなわっています。
ところが、洗浄力の強いボディソープでゴシゴシ洗ったり、1日に何度も洗ったりすると、必要なうるおいまで取りすぎてしまい、かえって乾きやすくなります。
「においが気になるから念入りに」という気持ちが、乾燥の引き金になっていることも少なくないんです。
年齢を重ねると、顔や身体の肌と同じように、デリケートゾーンの皮膚も水分を抱える力が少しずつ変わっていきます。
皮膚が薄くなり、外からの刺激を受け止める力(=バリア機能)も働きにくくなるため、乾燥を感じやすくなります。
これは自然な変化で、誰にでも起こること。
「衰えた」と落ち込む必要はありません。
毎日の摩擦や生活のクセも、乾燥に関わります。
デリケートゾーンだけが特別なのではなく、肌全体の乾燥と地続きだと考えると分かりやすいかもしれません。
ここからが本題です。
やることはシンプルで、「うるおいを取りすぎない」「うるおいを補う」の2つに集約されます。
まずは洗い方から。
順番はこうです。
回数は1日1回で十分です。
何度も洗うほど、うるおいは取れていきます。
洗うのは外側の皮膚まで。
内側にはもともと自浄作用(=身体が自分で清潔な状態を保つはたらきのこと)がそなわっているので、石けんで洗う必要はありません。
身体用のボディソープは洗浄力が強いものも多いため、この部分に合わせて作られた専用のソープやウォッシュを使うと、うるおいを取りすぎにくくなります。
次は保湿です。
タイミングが大事で、入浴後5分以内が目安。
粘膜そのものには塗らず、外側の皮膚にとどめてください。
デリケートゾーン用の保湿ジェルやクリームをはじめて使うときは、腕の内側など目立たない場所で試してからにすると安心です。
つっぱりやヒリヒリを感じる日は、無理にケアを重ねず、うるおいを補うことだけに絞るのがおすすめ。
毎日の積み重ねが効いてくるのが、この部分。
デリケートゾーンの乾燥は、身体全体のコンディションとつながっています。
特別なことより、生活のリズムを整えるほうが近道になることも多いんですよ。
逆に、乾きが気になるあまりやってしまいがちなことも挙げておきます。
赤みやヒリヒリが出ているときは、いったん保湿以外の手を止める。
これがいちばん大切です。
ここは正直にお伝えします。
セルフケアで整えられるのは、うるおいの取りすぎを防ぎ、外側の皮膚に水分を補うことまで。
洗い方と保湿、下着の工夫で、乾燥による不快感をやわらげやすくなります。
一方で、次のことはセルフケアの範囲ではありません。
化粧品は、皮膚を清浄にしたり、うるおいを与えて健やかに保つためのもの。
ホルモンの働きそのものに作用するものではありません。
特に、閉経前後の乾燥で日常生活に支障が出ている場合は、医療機関で相談できる選択肢もあります。
何ができるかは状態によって変わるので、まずは「相談してみる」でかまいません。
乾燥そのものは、多くの場合すぐに受診が必要なものではありません。
ただし、次のような様子があるときは、一度みてもらってください。
行き先の目安は、婦人科。
かゆみやおりものの変化、閉経前後の乾燥は、婦人科で相談できます。
婦人科でどんなことを相談できるのかは、公益社団法人 日本産科婦人科学会 や 一般社団法人 日本女性医学学会 の一般の方向けの情報も参考になります。
「こんなことで行っていいのかな」と迷う方が本当に多いのですが、婦人科はまさにこうした相談を受けている場所。
「心配ないですよ」と言ってもらえるだけでも、気持ちがぐっと軽くなります。
産後から授乳中にかけては、一時的にエストロゲンが低い状態が続くため、デリケートゾーンのうるおいが不足しやすくなります。
多くは自然な変化で、卒乳後にゆるやかに戻っていく傾向があります。
気になる間は、洗いすぎを控え、外側の皮膚の保湿を続けてみてくださいね。
デリケートゾーン用の保湿アイテムは、外側の皮膚に使うことを前提に作られているものがほとんど。
粘膜そのものには塗らず、Vラインや下着の当たる外側の皮膚にとどめてください。
はじめて使うときは、腕の内側など別の場所で試してからにすると安心です。
顔や身体用のクリームは、香料や成分が刺激になることがあります。
デリケートゾーンはとても敏感な部分なので、できればこの部分に合わせて作られた専用のアイテムを選ぶほうが、うるおいを補いながら刺激を抑えやすくなります。
2〜3週間続けても、かゆみ・痛み・ヒリヒリが落ち着かない場合や、性交時・排尿時の痛みをともなう場合は、一度婦人科で相談してみてください。
閉経前後の乾燥は、セルフケアだけでは変えにくいこともあり、我慢し続ける必要はありません。
最後に要点を整理します。
誰にも聞けないまま抱えていた悩みでも、しくみが分かれば、やることはずいぶんシンプルになります。
今夜のお風呂あがりから、ひとつだけ変えてみてくださいね。
※この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。
気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。
参考