
「フェムゾーン」という言葉を最近よく見かけるけれど、そもそもどこのことなの?とモヤモヤしている方もいるのではないでしょうか。
乾燥やかゆみ、におい、尿もれなど、人には聞きにくい悩みを抱えて、夜ひとりでスマホを開いている方もいるかもしれません。
こうした悩みは、聞きにくいことだからこそ、ひとりで抱えこまなくて大丈夫です。
この記事では、フェムゾーンがどこを指す言葉なのか、今日からできるやさしいケア、そしてセルフケアで変えられないことと受診の目安までを、順番に整理していきます。
肩の力を抜いて、読み進めてみてくださいね。
フェムゾーンとは、外陰部(=からだの外側にある性器まわりの部分のこと)や、そのまわりの皮膚を指して使われることが多い言葉です。
これまで「デリケートゾーン」と呼ばれてきた部分と、ほぼ同じ範囲を指すと考えて差し支えありません。
医学の正式な用語というより、ケアや商品の文脈で広まってきた呼び方なんですよね。
だから「フェムゾーン=特別な病気の名前」ではなく、日々の手入れの対象になる体の一部をやさしく言い表した言葉、ととらえておくと分かりやすいです。
まずは「気にかけてあげてよい場所なんだ」と知ることが、ケアの第一歩です。
フェムゾーンをケアする前に、この部分がどんな性質を持っているのかを、かんたんに押さえておきましょう。
接触皮膚炎(かぶれ)は、外からの刺激物質や抗原が皮膚に触れることで起こる炎症です。
日本皮膚科学会の一般向け解説によると、接触皮膚炎は外からの刺激物質や抗原が皮膚に触れて起こる湿疹性の炎症で、かゆみやヒリヒリ感を伴うことがあります。
年齢や女性ホルモンの変化は、皮膚の状態に関係することがあります。
日本女性医学学会の一般向け解説によると、更年期を迎えると皮膚の乾きやむずむず感といった症状が現れやすくなり、これは閉経に伴う女性ホルモン(特にエストロゲン)の分泌低下と関係があるとされています。
皮膚はもともとエストロゲンが働きかける臓器のひとつであることも説明されています。
ここでいうエストロゲン(=女性ホルモンのひとつ)は、年齢とともにゆらぎながら変化していくものです。
産後、プレ更年期、更年期と、ライフステージが移るにつれて、気になる悩みも変わっていきます。
乾燥が気になる時期もあれば、ムレやにおいが気になる時期もあります。
変化そのものは、否定しなくていいものなんです。
ここからは、毎日の生活でできるケアを具体的に見ていきます。
むずかしいことはありません。
「やさしく、ていねいに」が基本です。
① ぬるま湯で、外側をやさしく予洗いする
② 洗浄料を使うときは、よく泡立ててから、指の腹でそっとなでるように洗う
③ ゴシゴシこすらず、泡で包むようにして汚れを落とす
④ 洗ったあとは、タオルでこすらず、押さえるようにして水けをふき取る
洗うのは、あくまで外側だけで十分という考え方が一般的です。
体の内側(腟の中)まで洗い込む必要はありません。
・熱すぎるお湯で長く洗う
・強い力でゴシゴシこすって洗う
・ボディ用の洗浄料でしっかり洗いすぎる
かゆみがあると「汚れているのかな」と不安になって、つい強く洗いたくなります。
かゆみが続いたり、繰り返したりする場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。
・通気性のよい素材の下着を選ぶという方法があります
・下着や生理用品を、こまめに取りかえるようにする
こうした工夫は、「必ず悩みが消える」というものではありません。
デリケートゾーンの清潔ケアやにおいとの付き合い方については、デリケートゾーンのにおいが気になる方へ、フェムケアで始めるやさしい清潔ケアもあわせて読んでみてください。
ここからは、FemLifeで取り扱っているアイテムを紹介します。
いずれも毎日のお手入れに使うもので、症状を治したり、体の状態を変えたりするものではありません。
毎日のデリケートゾーンをやさしく洗いたい方や、全身をやさしい使用感で洗いたい方に向けた弱酸性の泡ソープです。
デリケートゾーンを毎日の入浴でやさしく洗い、清潔に保ちたい方のためのウォッシュジェルです。
デリケートゾーンをやさしく洗いたい方に向けた、無香料タイプのフェムゾーン用ソープです。
このほかのアイテムは、ソープ・ウォッシュの一覧にまとめています。
肌に合わないと感じたときは使用をやめ、気になる症状が続く場合は医療機関に相談してください。
ここは、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
一方で、次のようなことは、セルフケアの範囲を超えています。
・かゆみやにおい、おりもの、出血、痛みの「原因そのもの」を自分で見分けること
・ホルモンの変化による体の不調を、ケア用品だけで整えること
・感染症や皮膚の病気を、自己判断で治すこと
たとえば、かゆみの原因が「かぶれ」なのか、別の原因なのかは、見た目だけでは分かりにくいものです。
日本皮膚科学会の一般向け解説でも、接触皮膚炎では、原因となる刺激物質やアレルゲンを見つけ出して取り除くことが最も大切だとされています。
原因を見きわめる部分は、専門家の力を借りたほうが近道なことも多いんです。
「ここまではセルフケア、ここからは医療の領域」。
この線引きを知っておくことが、遠回りをしないための大切なポイントです。
セルフケアを続けても良くならないときや、気になる症状があるときは、医療機関への相談を考えてみてください。
次のような場合は、受診をおすすめします。
・かゆみやヒリヒリ感が続いたり、繰り返したりする
・おりものの量や色、においに、いつもと違う変化がある
・排尿のトラブル(トイレが近い、尿がもれる)がある
・出血や痛みなど、気になる症状がある
これらに当てはまらなくても、気になる症状や不安があれば、相談して大丈夫です。
「こんなことで行っていいのかな」とためらう方は多いのですが、デリケートな悩みこそ、相談してよいことなんです。
どこに行けばよいか迷ったら、外陰部の症状や排尿の悩みは、婦人科や泌尿器科が相談先になります。
日本女性医学学会の一般向け解説によると、トイレが近い・尿がもれるといった症状は更年期の女性に比較的多くみられ、閉経してからの期間が長くなるにつれて増える傾向があるとされています。
また、こうした尿の症状には泌尿器科だけでなく婦人科でも対応が可能で、尿が出にくい・残尿が多いといった状況が続く場合は、泌尿器科での精査がすすめられています。
妊娠中の方や、産後まもない方、持病があって治療中の方は、自己判断でケア用品を使う前に、まず主治医に相談してください。
妊娠中・産後で気になる症状があるときは、次の健診を待たずに、かかりつけの医療機関へ連絡しましょう。
ほぼ同じ意味で使われています。
どちらも、外陰部やそのまわりの皮膚を指すことが多い言葉です。
言葉の響きの違いはありますが、「別の場所を指している」と身構える必要はありません。
清潔に保つことは大切ですが、「強く・たくさん」洗うことが良いわけではありません。
ぬるま湯で外側をやさしく洗う程度で十分という考え方が一般的です。
ていねいさを優先してみてくださいね。
ケア用品でできるのは、肌をやさしく清潔に保つことまでです。
症状の原因そのものを治すものではありません。
かゆみやにおいが続く・繰り返す場合は、原因を確かめるためにも医療機関に相談してください。
清潔に保つためのお手入れに、決まった開始年齢はありません。
かゆみや痛みなどの症状が気になる場合は、セルフケアだけで対処しようとせず、医療機関に相談してください。
産後の変化が気になる方も、更年期の変化が気になる方も、自分のペースで考えてみてください。
フェムゾーンは、外陰部やそのまわりの皮膚を指す言葉で、デリケートゾーンとほぼ同じ意味です。
外陰部やそのまわりを洗うときは、強くこすらず、やさしく洗うことを心がけてみてください。
そして、かゆみ・におい・おりもの・排尿の変化・出血などが続くときは、セルフケアだけで抱えこまず、婦人科や泌尿器科への相談を考えてみてくださいね。
フェムケアの始め方をもっと知りたい方は、FemLife(フェムライフ)のトップページものぞいてみてください。
※この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。
気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。
参考
・一般社団法人 日本女性医学学会「よくある女性の病気 皮膚の乾き むずむずする」