
40代、50代にさしかかって、デリケートゾーンの乾燥やかゆみ、尿もれが前より気になるようになった。
そんな体の変化に、とまどっている方もいるのではないでしょうか。
人には聞きにくい場所のことだけに、夜になってからひとりで検索して、このページにたどりついたのかもしれませんね。
でも、人に相談しにくいことだからこそ、ひとりで抱えこまなくて大丈夫です。
この記事では、更年期にデリケートゾーンで起こりやすい変化の背景と、今日からできるやさしいケア、そして受診を考えたい目安までを、順番にお伝えします。
まずは、体に何が起きているのかを知ることから始めてみませんか。
結論からお伝えすると、更年期のフェムケアで意識したいのは、ゴシゴシ洗って徹底的に清潔にすることよりも、刺激を減らしながら、清潔とうるおいをやさしく保つことです。
更年期には、女性ホルモンであるエストロゲンが大きくゆらぎながら低下していきます。
更年期には、皮膚の乾燥やムズムズ感、頻尿や尿もれなどの症状が現れることがあります。
こうした変化は、年齢を重ねるなかで起こりうるものです。
ただし、かゆみ・出血・おりものの変化・痛みといった症状の陰に、別の原因が隠れていることもあります。
「よくある変化だから」と決めつけず、気になる症状が続くときは、自己判断で済ませずに婦人科などへ相談することが大切です。
この見きわめについては、記事の後半でくわしくお伝えします。
まずは、更年期に体の中で何が起きているのかを整理します。
ここで書いているのは、公的機関や学会が一般向けに解説している範囲の内容です。
更年期とは、閉経の前後5年ずつをあわせた約10年間を指します。
日本人女性が閉経を迎える平均年齢は50歳前後といわれ、早い方では40代前半、遅い方では50代後半と、時期には個人差があります。
この時期には、女性ホルモンであるエストロゲンが大きくゆらぎながら低下していきます。
40歳を過ぎて月経の周期が不順になってきたら、更年期にさしかかっているサインのひとつかもしれません。
更年期を迎えると、皮膚がかさついたり、皮膚の上をムズムズするような感じが現れやすくなり、これは女性ホルモン(エストロゲン)の低下と関係があるといわれています。
実は皮膚は、生殖器以外ではもっとも大きなエストロゲンの影響を受ける部分とされています。
更年期の女性では、トイレが近い・尿がもれるといった尿の症状を感じる機会が比較的多く、閉経してからの期間が長くなるにつれて増える傾向があるとされています。
決してめずらしいことではありません。
日本泌尿器科学会によると、尿失禁は40歳以上の女性の4割以上が経験しているとされています。
恥ずかしさから、ひとりで我慢している方が多いのも、この悩みの特徴なんですよね。
日本泌尿器科学会によると、骨盤底筋群のゆるみは、腹圧性尿失禁の原因になります。
女性にもっとも多い腹圧性尿失禁は、おなかに力が入ったときに尿がもれるもので、骨盤底筋群がゆるむために起こり、加齢や出産をきっかけに現れることがあるとされています。
日本泌尿器科学会によると、腹圧性尿失禁では、咳やくしゃみ、重い荷物を持ち上げるときなどに尿がもれることがあります。
ここからは、毎日の暮らしのなかで取り入れやすいケアを紹介します。
「清潔」と「うるおい」をやさしく保つこと、そして「刺激を減らすこと」が共通のテーマです。
洗うときは、こすらないことがいちばんの基本です。
次のような手順が、やさしい洗い方の一例です。
① ぬるめのお湯で、まずは軽く流す
② 洗浄料を、手のひらでよく泡立てる
③ 外側(外陰部)を、泡で包むようにやさしく洗う
④ 腟の中は洗わず、外側だけにする
⑤ ぬるま湯で、やさしくすすぐ
⑥ やわらかいタオルで、こすらずに押さえて水けをとる
乾燥が気になるときは、保湿のケアを取り入れるという方法があります。
① 入浴後の清潔な状態で、適量を手のひらにとる
② 外側(外陰部)を中心に、やさしくなじませる
③ 腟の内側(粘膜)には塗らない
肌に直接ふれる下着は、やさしい素材を選ぶのもひとつの方法です。
・コットンなど、肌あたりのやさしい素材の下着を選ぶ
・締めつけの強い衣類を長時間身につけないようにする
・就寝時は、ゆったりしたものを選ぶ
ムレを感じやすいときは、こまめに下着を替えるだけでも気分が変わります。
尿もれが気になる方は、骨盤底筋をきたえる運動を取り入れるという選択肢もあります。
日本泌尿器科学会の一般向けの解説では、軽い腹圧性尿失禁は、骨盤底筋をきたえる運動によって改善が期待できるとされています。
肛門や腟のあたりを、キュッと締めてからゆるめる。
これを、無理のない範囲でくり返す方法が知られています。
ただし、骨盤底筋訓練だけでは十分な改善が得られない場合もあります。
尿もれで困っているときは、泌尿器科に相談してください。
よかれと思ったケアが、かえって刺激になることもあります。
・ゴシゴシと強くこすって洗う
・香りや刺激の強いものでゴシゴシ洗う
・腟の中まで洗う
・ムレたままの下着を長時間つけっぱなしにする
デリケートゾーンのケアでは、「足す」ことよりも「刺激を減らす」ことを優先するイメージが役立ちます。
ここからは、FemLifeで取り扱っているアイテムを紹介します。
いずれも毎日のお手入れに使うもので、症状を治したり、体の状態を変えたりするものではありません。
デリケートゾーンを毎日の入浴でやさしく洗い、清潔に保ちたい方のためのウォッシュジェルです。
デリケートゾーンの乾燥が気になり、日々の保湿ケアやマッサージを心地よく取り入れたい方のためのフェムゾーン用オイルです。
デリケートゾーンの乾燥が気になり、洗うケアだけでなく日々の保湿ケアも取り入れたい方に向けたフェミニンモイスチャーセラムです。
このほかのアイテムは、ソープ・ウォッシュの一覧にまとめています。
肌に合わないと感じたときは使用をやめ、気になる症状が続く場合は医療機関に相談してください。
ここは、正直にお伝えしておきたい大切な部分です。
毎日のセルフケアでできるのは、清潔とうるおいをやさしく保ち、刺激を減らして、心地よく過ごすところまでです。
一方で、更年期の不調のおおもとにあるエストロゲンの低下そのものを、洗浄料や保湿のケアで止めたり、元に戻したりすることはできません。
つらい症状に対しては、医療の領域で相談できることがあります。
たとえば、更年期障害の治療には、問診のうえで生活習慣の見直しや、ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬などの選択肢があると、日本産科婦人科学会が解説しています。
セルフケアと医療は、どちらが上ということではなく、役割が違うだけです。
「ケアしてもつらさが続く」ときに相談できる場所がある、と知っておくだけでも、気持ちは少し軽くなりますよね。
次のような場合は、セルフケアだけで様子を見ず、医療機関への相談を考えてみてください。
・尿もれで困っている、あるいは年齢のせいとあきらめて我慢している
・尿が出にくい、排尿してもまだ残っている感じが続く
このような状態が続く場合は、泌尿器科を受診して詳しく調べてもらうことがすすめられています。
・皮膚やデリケートゾーンの乾き、ムズムズ感が続く
・出血やおりものの変化、痛みなど、気になる症状がある
これらに当てはまらなくても、気になる症状や不安があれば、相談して大丈夫です。
受診先の目安として、尿のトラブルは泌尿器科に、更年期の体調やデリケートゾーンの不調は婦人科・産婦人科に相談する、と考えておくとよいでしょう。
尿もれについて、日本泌尿器科学会は、恥ずかしがったり年齢のせいとあきらめたりせず、泌尿器科に相談することをすすめています。
また、更年期障害で気になることがあるときは、ひとりで悩まず産婦人科へ、と日本産科婦人科学会も案内しています。
「このくらいで病院に行ってもいいのかな」とためらう気持ちは、よく分かります。
でも、相談していいことなんです。
受診は、つらさを我慢しないための、ごく普通の選択肢です。
症状の種類や程度には個人差があります。
更年期には女性ホルモンがゆらぎながら低下し、体にさまざまな変化が起こりやすくなりますが、感じ方は人それぞれです。
強く気になる症状が続くときは、婦人科などに相談してみてください。
決まった年齢はありません。
デリケートゾーンの乾燥やムレ、尿もれなどが気になり始めたときが、ケアを見直すきっかけのひとつです。
尿もれが気になる場合は、年齢のせいと決めつけず、泌尿器科に相談してください。
無理のない範囲で、できることから始めてみてくださいね。
年齢のせいとあきらめなくて大丈夫です。
日本泌尿器科学会は、尿もれを我慢せず泌尿器科に相談することをすすめています。
骨盤底筋をきたえる運動が役立つこともあるので、気になるときは一度相談してみる価値があります。
かゆみには、乾燥以外の原因が隠れていることもあります。
市販のもので対処を続けるより、かゆみが続くときは婦人科や皮膚科に相談するのが安心です。
自己判断で様子を見すぎないことが大切です。
更年期のフェムケアは、清潔とうるおいをやさしく保ち、刺激を減らすことが基本です。
更年期にはエストロゲンの低下に伴う体の変化がみられますが、症状の原因や必要な対応は一人ひとり異なります。
そのうえで、気になる症状が続くときは、ひとりで抱えこまず、婦人科や泌尿器科に相談してくださいね。
フェムケア用品の選び方や、ほかの悩みのケアについては、FemLife(フェムライフ)のトップページものぞいてみてください。
※この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。
気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。
参考
・一般社団法人 日本女性医学学会「よくある女性の病気(皮膚の乾き むずむずする)」